
こんにちは、スタッフ伊藤です。
私の仕事は「介護予防運動指導員」。介護予防の専門家としてお仕事をさせていただいております。介護予防は、「運動器・認知症予防・口腔機能・尿失禁予防・うつ閉じこもり予防・転倒予防・栄養改善」の7分野から成り立っていますが、勝手ながらわたくし10年前からこの7つに「笑い」をくわえて8分野で介護予防をおこなっております。
なぜ笑いなの?スバリ!「楽しい!」から。無表情で運動や講義を聞いても、終わった後に残るのは「難しかったなぁ。たいへんだったなぁ。あぁつかれたな。」がほとんではないでしょうか。 そこで、介護予防を押し付けるのではなく、楽しんで自ら学んで体を動かし外出してもらえるような指導をおこなっております。
「笑い」の効果としてストレス解消、免疫力の向上、呼吸器への好影響、認知機能の低下が抑えられる、鎮痛効果、幸福感が増す等があるそうです。
また、名古屋大学などの研究チームが発表した「笑いと健康」に関する報告では、
日ごろ笑うことがほとんどない人は高齢者は「要介護」に至るリスクが高いことが挙げられています。
全国の人を対象にした日本老年学的評価研究プロジェクトの2013年度の調査のうち、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者1万4233人について、笑う頻度を「ほぼ毎日」「週に1~5回」「月に1~3回」「ほとんど笑わない」の4段階に分類。
その後に要介護2以上になった人がそれぞれどれだけいたかを3年間追跡。
その結果、「ほとんど笑わない」と答えた人は、「ほぼ毎日」笑うと答えた人より、要介護2以上になるリスクが1・4倍高かったという調査結果もでています。
データを分析した竹内研時(けんじ)・名古屋大学准教授は「要介護になることを予防するためには、よく笑うことが有用と考えられる」と話しています。
笑いが健康につながるといった報告はこれまでにもありましたが、要介護状態になることを防ぐにも効果があるとのことです。
最後にわたくしが仕事上で経験した感じた「笑いの効果」をお話させていただきます。
以前に在職していた有料老人ホームに、病気で入院され治療を終えて施設に戻られた方がいらっしゃいました。その方は食事が摂れず、刺激にも反応があまりない状態でした。
しかしなんとか元気になっていただきたい、笑顔を見せていただきたいと思い、ご本人の前でおどけて見せたり、ひとり漫才をしてみたりとしているうちに小さく笑顔を見せてくださいました。その後もスタッフみんなで、大好きなジャイアンツのプロ野球の話題を話しかけたり、踊って見せたりした結果、笑顔が増えていき目力が強くなり、だんだんと食事も摂れるようになりました。
なによりご本人のお力ですが、介護スタッフ医療スタッフの連携による働きかけで、危機的状況を脱することができました。
入居者様に利用者様に笑っていただくのに、難しい理論や技術は必要ありません。必要なのは「相手に対する心配り」と「自分自身が笑顔」だけです。わたしは利用者様に「あぁ、良かったなぁ。」と感じていただける仕事をしたい、そのための「笑い・笑顔」を目指していきたいと考える今日この頃であります…